「世界津波の日」が制定されるまで

2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)を教訓とし、国民の津波に対する理解と関心を高めるために、国内では2011年6月制定の「津波対策の推進に関する法律」で、毎年11月5日を「津波防災の日」にすることが定められました。

その後、2015年12月22日に行われた国連総会本会議で、日本をはじめとする142か国が共同提案国となり、11月5日を「世界津波の日」に制定することが決定されました。

 

なぜ「11月5日」が選ばれたのか?

1854年(安政元)年11月5日に起きた安政南海地震で、大津波が和歌山県を襲った際に、濱口梧陵が稲わらに火をつけて、村人を高台に誘導し命を救った「稲むらの火」の逸話に由来しています。

 

この日の前後で、日本各地で防災訓練等の取り組みが行われます。

訓練には積極的に参加し、津波防災意識を高めましょう。

 

日ごろからの心得

1.津波について、正しい知識を持つ

 

2.津波から避難する方法を調べておく


津波避難の心得

1.強い揺れや弱くても長時間続く揺れを感じたら、海岸等を離れ、すぐに高台等への避難を開始する

地震によって停電してテレビなどから情報を得られなかったり、震源が近くだと津波警報等が間に合わずにすぐに津波が襲来する場合もあります。大きな揺れや、小さくても長時間続く揺れを感じたら、「地震=津波」と考え、警報等の情報を待たずに避難を開始することが大切です。

 

2.たとえ揺れがなくても、津波警報・注意報等の発表があればすぐに避難する

自宅から離れた場所で地震が起きた場合、自宅は揺れていなくても、津波が襲来することがあります。その場合は、近い場所で起きた地震よりは津波の襲来までにある程度時間があります。テレビなどの報道のほか、メールサービスやアプリなどで地震・津波情報などの防災情報を受信できるサービスも多くありますので活用して、津波警報・注意報の発表を知ったら避難するようにしましょう。 

 

3.「遠く」より「高い」場所へ早く避難する

津波で避難するときは、「遠く」より「高い」場所に避難することを意識しましょう。

和歌山市のホームページでは、津波から身を守るための方法として「津波避難目標地点」と「津波避難協力ビル・津波避難場所」が紹介されています。

和歌山市「津波からの避難場所」

また、「避難所」や「避難場所」に指定されているところであっても、津波からの避難には適さないこともあります。津波の浸水の危険性がないかをあらかじめ確認し、安全な避難場所を家族で決めておきましょう。

「避難所」と「避難場所」の違い

避難所 =災害によって帰宅困難になった住民が一時的に暮らす場所
避難場所=災害が起きた危機的な状況下で命を守るために緊急避難する場所
※両方を兼ねる場合もあります

「避難所」はその後しばらく生活することを想定して指定されているところであるため、津波からの避難には適さない場合があります。命を守るために緊急で避難する場合は「避難場所」を選びましょう。
また、「避難場所」はトイレや食料、雨風をしのげる建物がないケースがあります。警報解除後、自宅に帰ることが難しい場合には「避難所」へ移動しましょう。

4.避難したら絶対に戻らない

津波が来るのは1回だけではありません。津波の高さも第2波、第3波と高くなることもよくあります。高台へ避難した後に「津波が来なかった」「来た津波があまり高くなかった」などで安心して避難場所から自宅に戻ることは絶対にしないでください。津波は長い時間繰り返し襲ってきます。津波警報・注意報が解除されるまでは、これから高い津波が来ると考えて、絶対に安全な避難場所を離れずに留まってください。

 

「津波フラッグ」ご存知ですか?

「津波フラッグ」は大津波警報、津波警報、津波注意報が発表されたことをお知らせする旗です。

 

これらの警報等は、テレビやラジオ、携帯電話、サイレン、鐘等、様々な手段で伝達されますが、令和2年6月から海水浴場等で「津波フラッグ」による視覚的伝達が行われています。

「津波フラッグ」を用いることで、聴覚に障害をお持ちの方や、波音や風で音が聞き取りにくい遊泳中の方などにも津波警報等の発表をお知らせできます。

海水浴場や海岸付近で津波フラッグを見かけたら、速やかに避難を開始してください。

※気象庁ホームページへ移動します

『「津波フラッグ」リーフレット』(気象庁ホームページより)